Monday 23 January 2012

国境を越えてきた牛乳と卵

ドイツ産だが表示はハンガリー語
夫はパッケージを眺めるのが日課になっているようです。昨日、家にあった牛乳がドイツ製であることを発見。ハンガリーは農業国で、家畜も恐らく人の数より多いはずなのに、ドイツからはるばるとハンガリーまで運ばれてきているようです。
不思議なのは、ドイツ産の牛乳の方がハンガリー産より価格が低いこと。ガソリンも高いですし、輸送費のコストもかかるはず。この牛乳の製造地であるドイツのRotthalmünsterとハンガリーのベーケーシュチャバ間は約740km。東京から広島県尾道市までの距離に相当します。
先日、イスラエル産の卵が市場で売られていたという話を親戚の方から聞きました。ここから1000km以上離れたイスラエルからわざわざ卵を持ってくるなんて。この町の人口より、明かに雌鳥の数の方が多いと思いますので、卵不足で困っているわけでもなさそうです。
日本のスーパーの野菜売場ように、生産者の顔写真を売場に展示してくれれば、もしくはせめて産地だけでもはっきり表示してもらえれば(ドイツ産の牛乳、イスラエル産の卵、ポーランド産のヌテラ、フランス産のポッキーなど)多国籍な顔ぶれに圧倒されることでしょう。

チョコレートはBOCI


BOCI1920年代に創業されたハンガリーのチョコレートメーカーです。ある日、夫がチョコレートのパッケージをたまたま眺めていたところ、チェコで製造されていると表示されていることに気がつきました。
BOCIチョコレートのHPには1991年にネスレがハンガリーの工場を買収したとありますので、買収後、はっきりとした時期は不明ですがハンガリーの工場を閉鎖し、ネスレのチェコ工場で製造するようになったと思われます。BOCIという商標は残っていますが、ハンガリーで生産されてない以上、もはやハンガリーのチョコレートとは言い切れないのかもしれません。例えば、ある日、明治や森永のチョコレートを美味しく食べていて、パッケージを眺めていたら、生産国が中国産やタイ産と表示されている状況を想像してみると・・・。私はなんだか淋しい気持ちになると思います。少なくとも、子供のころに食べていた日本産のチョコレートとは別物だと思ってしまうと思います。たとえどんなに美味しいチョコレートであろうとも。
話はそれますが、グリコのポッキーがヨーロッパではMIKADOという名前で売られています。MIKADOはグリコのライセンス商品で、フランスで製造されています。MIKADOというネーミングはどこから来たのでしょうね。
製造者はネスレフンガリア、製造所はCzech Republic

Sunday 22 January 2012

腐らないヨーグルト

先週の金曜日、一週間ほど賞味期限が切れたマーガリンを社内で味見(希望者のみ)しました。売り物にはならないのですが、臭いも無く、味の変化もなく、美味しく食べられました。
夫の叔父(正確な年齢はわかりませんが、60歳以上)が夏期に、乳製品大手D社のヨーグルトをキッチンのテーブルに30日間放置し、食したところ、全く問題が無かったそうです。容器が膨張するなど外部からの変化もなく、問題なく食し、お腹も壊さなかったとのこと。
そのヨーグルトは「生きた菌入り」と表示されていたそうなので、夏季の暑い時期であれば尚更のこと、菌の活動も活発になり、容器も膨張し簡単に腐敗するはず??
テレビでは毎日のようにD社のヨーグルトのCMが流れており、お腹の健康を保ちますといった内容が流れていますが、こんな話を伺うとどんな保存料が入っているのか、ちょっと怪しくなります。自分が求めている品質とは何か、広告の情報だけではなく、時には自分の目で商品の質を検証することも大事だということを叔父さんの行動から学んだような気がします。かといって、30日間放置されたヨーグルトを食することはお勧めしているわけではないので、くれぐれも誤解されないよう・・・。

人知れぬ苦難

ハンガリー語文字カード
私が現在勤めている夫の叔父の会社では、外国人は私のみ。母語は日本語なので、ハンガリー人には分かりえない苦難もあります。私が勤めてから真っ先にぶち当たった壁は、「筆記体が読めない」こと。日本で英語を勉強し始めた中学校1年の初めの頃に、筆記体練習帳を渡され、大文字、小文字の筆記体は一通り練習した記憶があります。しかし、当時練習した筆記体は、あくまで英語の筆記体であり、ハンガリー語の筆記体は全く別物なのです。私の仕事の中には、手書きされた返品リストと数量が、印字されたマイナスの請求書と一致しているか確認するという作業があり、手書きされた文字を解読しなければなりません。同僚も「男性の字は汚くて、私達も解読に困ることがあるから、分からない時は聞いてね」と言ってくれましたが、毎回毎回、同僚に聞いていたらお互い仕事ができません。私は手書きの数量から印字された請求書を見て商品名を想像し、もう一度、手書きの返品リストの文字の長さ、又は「恐らく、このように書かれているのであろう」と想像力を発揮しつつ、今のところ、確認作業をしています。それでも、わからない場合(文字の長さも合致せず、全く解読不能な場合)は、同僚に聞いています。
先週末、棚卸の作業があり、私は夫とペアを組んで商品数を数えていました。夫がリストに商品数を手書きで入れていましたが、入力担当のCさんが「数字が1なのか2なのか読めない」と夫に確認しに来たので、ハンガリー人同士でも人の字が読めないことがやっぱりあるようです。 
また、 印字体で書いていると「筆記体は書けないの?」とよく聞かれます。英語の筆記体は一応一通り・・・と言ったところで、ハンガリー語の筆記体が書けない事実は事実なので、言い訳になりません。昨日、ユーロショップ(日本の百均のようなお店です)で(明らかに子供向けですが)筆記体練習カードを購入しました。大文字と小文字が併記されているので、違いが比較し やすいですし、ノートの下に入れて、上からなぞって練習することもできます。誰もがお手本のように筆記体を書いている訳ではないですが、基本をマスターすることで、少しは簡単に解読できるようになるはず。この機会に、ハンガリー語の筆記体をマスターしたいと思っています。
almaのaは林檎のように丸い
Kの大文字はHと似てる・・・

Sの大文字は印字体そのもの?
大文字筆記体は山2つ(英語は3つ)
P(小)はT(大)のよう
Hの大文字は丸ふたつ

例えばヌテラ


今年から付加価値税(消費税)が25%から27%に上がったことは、先日ブログに書きました(厳密に言えば、乳製品など一部の商品は付加価値税が昨年と変わらず18%なのですが、大抵の商品は27%です)。例えば、ヌテラ(チョコレートクリーム)400gを買った場合。商品自体は611.42フォリント、付加価値税が165フォリントで、計776フォリントでした(写真参照)。ヌテラ以外にもお菓子やスパイスを購入し、全商品の価格2856.94フォリントに加え、付加価値税が772フォリント、今回の買い物は合計3628フォリントでした。末尾8以上は繰り上げになるので、実際支払った金額は3630フォリント。

付加価値税は27%

実際、写真のような具体的な領収書やレシートをもらうことは殆どありません。大抵のお店では税込みで計算されたレシートしか渡されないので、税金のことを考えたりはしないのですが、たまにこのような領収書を眺めてみると、付加価値税の高さを実感します。
また、ハンガリーでは、お店によって商品の価格はまちまちです。全く同じ商品でも、A店とB店で2倍以上価格が異なるといったケースもあります。写真の価格はご参考程度に・・・。
余談になりますが、今回購入したヌテラはポーランド産でした。日本でヌテラを買った時には確かオーストラリア産だったと思います。味に変わりがあるかどうかまでは、判断つきませんが、どちらも美味しいことは確かです。