昨年12月末にSIMカードが2枚入るNokiaの携帯電話を購入しました。SIMカードが2枚入るということは、1つの携帯電話で2つの電話番号が使用できるということです。わざわざ携帯を2つ持ち歩かずにすむので便利です。携帯番号を複数持つ理由は、公用と私用で使い分ける、又は、ドイツで働くハンガリー人がドイツとハンガリー両方の携帯番号を持つ、あるいはキャンペーンで新しい携帯を購入すると通話割引が適用されるため、買い換えた際に新しい携帯番号を取得するなど、色々なケースがあります。
私の場合はいずれのケースにも該当せず、本来なら一つの番号で十分なのですが、昨年末から、新しい携帯番号を使用することになりました。
もともとの携帯番号は昨年3月末ぐらいからハンガリーで使用していました。5月ぐらいまでには「タマーシュさんはいらっしゃいますか?」という電話が週末や時間帯を問わず、毎回違う電話番号から掛かってきていました。電話も男性だったり、女性だったり、毎回違う人のようでした。タマーシュの電話でないことを告げると、皆、丁寧に謝罪をして電話を切ります。タマーシュはハンガリーでよくある名前で、家族や友達、もしくは仕事場の同僚であれば、トミやトミカといった愛称で呼ぶはずですし、固定電話でもないのに「○○さんはいらっしゃいますか?」というのは、個人の携帯電話にしては変な感じです。また取引のない銀行から、銀行に電話するようにといった内容のメールが度々届きました。どうやら、前に私の携帯番号を使用していたタマーシュという人が、携帯を解約したけれど、銀行には知らせてないことが考えられます。今後も関係の無い電話やメールが来るのも迷惑なので、5月に夫が銀行に出向き、私はその銀行との何の取引も関係もないため、タマーシュの電話番号のデータを削除してもらいたいと申し出ました。しかし、銀行からはシステムからデータを削除できないので、どうすることもできないと言われ、何もしてくれませんでした。私に電話を掛けてきているのは銀行の人ではなく、銀行が委託している債権回収業者のようでした。銀行に苦情を申し出た数か月は、タマーシュ宛ての電話もメールもないので、銀行側も何とかデータを削除してくれたのかなと思っていましたが、11月頃からメールや電話が再び来るようになり、電話の応対も以前のように丁寧といった感じではなくなりました。男性から「タマーシュはいるのか?」、これはタマーシュの携帯ではないと言うと「悪いな。」と言って切られるといった状況です。タマーシュ宛ての電話を取るのもさすがに気持ちが悪くなり、新しい携帯番号に切り替えることにしました。
12月に購入したNokia 101 |
12月中は新しく買ったNokia 101に古いSIMカードと新しいSIMカードを入れて使用していました。電話を買うことを検討していた時は、丁度クリスマス前だったので、携帯電話各社がクリスマスセールを展開していました。今までハンガリーではずっとNokiaを使用しているので、今回もNokiaの機種を考えており、また、頻繁に携帯を使用しないので、プリペイド式のものという点から探すと、機種も色もかなり限定され、消去法で選択すると、選ぶのに苦労しませんでした。この携帯電話はインターネットもカメラも付いておらず、軽量、ボタンも少し大きめで押しやすくショートメッセージも楽に打てます。小さい懐中電灯付きなので、朝晩薄暗い中、家や門の鍵穴を探す際に便利です。前のハンガリーの携帯にはインターネットもカメラも付いていましたが、携帯のインターネットは一度も使ったことが無く、カメラも質が悪いので、私には不必要な機能でした。新しい携帯は使用頻度にもよりますが、充電してから2週間ぐらい持ち、バッテリーが不足していると知らされてからも1日は持ちます。インターネットもカメラも無く、もちろんタッチパネルの機能も無いので、余計な電力を消費せずにすむのかもしれません。日本で使用していた携帯電話は、使用していなくとも1日で電源が切れ、毎日充電していました。日本でネットもカメラも無い携帯電話を探すとなると、子供向けか老人向けになり、不要だけれども、色々な機能が付いた携帯を持たざるを得ないのですが、ここでこんなにシンプルで使い勝手のよい携帯が手に入るとは思っていませんでした。使用説明書も薄ぺらで、至ってシンプルです。
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使用説明書の一部 |
様々な機能が付いていることだけがサービスではなく、機能がないことが選択できることも素晴らしいサービスだと思います。
新しい携帯番号を使用し始めた数日後、誰にもまだ教えてないはずの新しい携帯番号にショートメッセージが3通届きました。
「アンディ、メリークリスマス!」
「メリークリスマス&ハッピーニューイヤー!」
「Hi, Girls! 今日、ヴルシュマルティ広場(ブダペストの中心にある広場)に16:30集合よ。来る?」
ようやくタマーシュ騒動から解放されたと思っていましたが、今度はアンディ(アンドレアの愛称)の携帯番号を引き継いだようです。幸いアンディの友人からのメールなので特に害はないですが・・・。